高血圧とは
高血圧は文言からもイメージできますが、血圧の高い状態が継続することにより、血管内に過度の負担がかかるようになる病気です。健康な人の場合、収縮期血圧(心臓が収縮して血液を送り出したときの血圧)は140㎜Hg未満、拡張期血圧(心臓が拡張したときの血圧)は90㎜Hg未満です。高血圧になると、この血圧が継続的に高くなってしまい、様々な病気のリスクが高まります。
血圧は変化します
人の血圧は自律神経によって調整されており、高くなったり低くなったりを繰り返しています。それに加え、ストレスや身体疾患、生活状態、食事、気温、運動、睡眠などによっても変化します。一般的には、朝の目覚めとともに血圧は上昇し、日中の活動時間中は血圧が高い状態が続きますが、夜や睡眠中は血圧が下がります。季節によっても変動し、冬は高く、夏は低めになります。
ですから、血圧測定を一回、行っただけでは判断がつきません。普段リラックスしているときは正常値だけれど、医療機関で血圧を測ったときには緊張して数値が高くなってしまう人もいます。これとは逆に、健康診断などでは正常値なのに、家庭や職場での血圧が高い人もいます。健診を受けるときはリラックスして問題は出現しないけれど、普段の生活では高ストレスなどによって常に血圧が高くなっているケースもありますので、医療機関できちんとチェックしておくようにしましょう。
高血圧が続くと
血管が高い圧力にさらされ続けると、血管壁が傷ついて動脈硬化が進行していきます。血圧が高くても自覚症状がないことも多いため、ついつい放置しがちですが、動脈硬化や心肥大によって重大疾患のリスクが増していくのです。
高血圧症の主な原因
高血圧は、遺伝的要因によっても起こりうるのですが、一般的には不健全な生活習慣が大きくかかわっていると言われています。下記のような食生活などを続けている方は高血圧のリスクが高まりますので、お早めに対策を講じるようにしましょう。
- 健・塩分の摂り過ぎ
- 食事でのミネラル分(カリウムなど)の不足
- 太り過ぎ(カロリーの摂取オーバー)
- お酒の飲みすぎ
- 精神的ストレス
- 運動不足
- 喫煙
- 自律神経の調節異常
- 視力が落ちてきた
高血圧の治療
高血圧治療の基本となるのは食事療法です。特に、塩分摂取は血管を硬化させるなど悪影響を及ぼしますので、減塩に努めます。一日の食塩摂取量を6g以内まで減らすことが望ましいのですが、いきなり達成するのは厳しい数値です。医師や管理栄養士の指導を受け、「利尿作用のある野菜や果物などをバランスよく摂取して塩分の排出を促す」などの対策にも取り組んでください。
また、適度な運動を継続的に行い、適正体重を維持するようにします。一日あたり30~60分の有酸素運動を週3回以上おこなうと効果が上がると言われています。もっとも、高血圧の状態は人によって異なります。運動の効果も千差万別ですし、患者さまの状態によっては運動制限が必要なケースもあります。医師から適切なアドバイスを受けて実践するようにして下さい。なお、食事療法や運動療法で十分な改善が見られないときは薬物療法を併用します。